
「最近、なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」
そんな日が続くと、「睡眠サプリ」「枕を替える」「睡眠ドリンク」と、何かを“足す”ことで眠りを改善しようとしていませんか?
でもその前に見直したいのが、普段の生活に潜む“眠りの邪魔者”。
今回は、40代・50代から見直したい「睡眠の引き算」をお届けします。

朝の光が足りない
今夜の眠りは朝から始まっています。
私たちの体には、睡眠と覚醒を含む一日のリズムをつくる「体内時計」が備わっています。
その体内時計を毎日調整する重要な刺激のひとつが、朝の光です。
起きたらカーテンを開ける
朝起きても、カーテンを閉めたまま。薄暗い部屋で朝食。そのまま車で出勤。日中も室内。
そんな生活をしていると、朝の明るい光を浴びる機会が少なくなります。
朝の光を浴びる
天気がよければ、外へ出て朝の光を浴びる。ベランダに出る。朝の散歩をする。ゴミ出しをする。
日常生活の中で、自然に光を取り入れてみましょう。
朝の光と夜のメラトニン
朝に明るい光を浴びることで、体内時計が調整され、日中の覚醒と夜の睡眠リズムを整える助けになります。
夜になると、暗さに反応してメラトニンというホルモンの分泌が高まり、体は眠りへ向かいます。
曇りの日でも外へ
屋外は室内より明るいため、曇りの日でも外へ出る意味はあります。
朝の買い物。犬の散歩。庭の水やり。通勤時に少し歩く。そんな習慣を利用してみましょう。
睡眠対策は、ベッドに入ってから始めるものではありません。まず朝の光から、一日のリズムをつくっていきましょう。

昼間に動かなさすぎる
朝は車で出勤。仕事はデスクワーク。昼休みも座ったまま。帰宅も車。夜はソファでテレビやスマホ。
振り返ってみると、「今日、ほとんど動いていない」という日はありませんか?
現代の生活は、意識しなければ一日中座って過ごせてしまいます。
ちょこちょこ動きが大事
・買い物へ歩いて行く。
・エレベーターではなく階段。
・掃除機をかける。
・洗濯物を干す。
・夕食後に散歩する。
・テレビを見ながらストレッチ。
こうした日常の動きも、積み重なれば身体活動になります。
「30分運動できなかったから今日はゼロ」ではなく、5分、10分の“ちょこちょこ動き”を増やす。これなら忙しい日でも続けやすくなります。
夜に慌てて疲れさせない
「今日は動かなかったから、寝る前に激しい運動をして疲れさせよう」というのはNG。
寝る直前の激しい運動は、人によっては体が興奮して眠りに入りにくくなります。
運動は日中の活動として取り入れましょう。

午後のカフェインを見直す
夜の睡眠を考えるなら、寝る直前だけではなく午後から夕方にとるカフェインにも目を向けましょう。
カフェインは眠気を感じにくくする
私たちの脳では、起きている時間が長くなるにつれてアデノシンという物質がたまり、眠気を引き起こされますが、カフェインは、このアデノシンが作用する受容体をブロックします。
だからコーヒーを飲むと、「頭がスッキリした」「もうひと頑張りできそう」と感じるのです。
ただし、その覚醒作用が夜まで残れば、寝つきに影響します。
「夕食後だけやめる」では遅い
カフェインが体内で減っていくスピードには個人差があります。
そのため、「夕食後は飲んでいないから大丈夫」とは限りません。
寝つきが悪い、眠りが浅いと感じる人は、午後のコーヒーを早めの時間までにしてみましょう。
コーヒー以外も注意
カフェインといえばコーヒーを思い浮かべますが、それだけではありません。
紅茶・緑茶・ウーロン茶・エナジードリンク・清涼飲料・チョコレートなどにも含まれます。
午後から夜に口にしているものを一度振り返ってみましょう。

「寝酒」で眠ろうとする
「お酒を飲むとすぐ眠れる」「寝つきが悪いから、寝る前に一杯」そんな習慣はありませんか?
確かにアルコールには鎮静作用があるため、飲んだあとに眠気を感じたり、寝つきが早くなったように感じたりすることがあります。
でも、「眠くなる」と「よく眠れる」は別です。
後半の睡眠を乱しやすい
アルコールは体内で代謝されていくにつれ、睡眠の後半を乱し、「寝つけたのに夜中に目が覚める」「眠りが浅く感じる」「早朝に目が覚める」ということにつながります。
トイレで目が覚める原因に
アルコールには尿量を増やす作用もあります。
さらに、お酒と一緒に水分を多くとれば、夜中にトイレへ行く回数が増えることも。
せっかく眠っていても、そのたびに睡眠が中断されます。
いびきにも注意
アルコールによって上気道周辺の筋肉がゆるむと、いびきや睡眠中の呼吸の問題が悪化する人もいます。
特に、「お酒を飲んだ日は、いびきがひどいと言われる」という人は注意しましょう。

布団の中までスマホ
「眠くなるまで、ちょっとだけスマホ」
SNSをチェック・ショート動画を一本・ニュースを見る・ネットショッピング。
気づいたら30分、1時間……。
ここで知ってほしいのが、スマホは「ブルーライトだけ」が問題ではないということです。
明るい光が眠りを妨げる
夜に強い光を浴びると、体内時計やメラトニンの分泌に影響し、眠りへの切り替えを邪魔します。
特に、暗い寝室で明るい画面を顔の近くで見続ける習慣は見直しましょう。
「内容」で頭が冴える
SNSを開いたら、気になる投稿を発見。
ニュースを読んだら不安になる。
ショート動画を見たら次が気になる。
仕事のメールを見たら明日の予定を考え始める。
このように、スマホから入ってくる情報そのものが脳を刺激します。
せっかく体は布団に入っているのに、頭だけは活動中。これでは「眠る準備」とは反対方向です。
「あと1本」が寝る時間を削る
特にショート動画やSNSは、「これだけ見たら寝よう」が続きが気になります。
すると眠れないというより、自分で睡眠時間を短くしている場合もあります。
朝起きる時間は変えられないのに、寝る時間だけが遅くなれば、当然睡眠時間は減ってしまいます。
ベッドを「スマホを見る場所」にしない
おすすめしたいのは、使う場所を変えること。
SNSを見るならリビング。連絡を確認したら充電場所へ。ベッドに入ったらスマホを見ない。
「寝る1時間前から絶対禁止!」と厳しいルールをつくるより、まずは、「スマホをベッドに持ち込まない」から始めてみましょう。

昼寝・寝だめが長すぎる
「昨日あまり眠れなかったから、今日は昼寝しよう」「平日は睡眠不足だから、休日にまとめて寝よう」
疲れていると、できるだけ長く眠って取り戻したくなりますよね?
もちろん、睡眠不足のときに睡眠時間を確保することは大切です。
ただし、長すぎる昼寝や休日の大幅な朝寝坊が、次の夜の眠りを邪魔してしまいます。
眠気は起きている間にたまっていく
私たちは朝起きて活動し、起きている時間が長くなるにつれて、少しずつ眠気が高まっていきます。
ところが、夕方まで長時間昼寝をすると、せっかく高まっていた眠気が弱くなります。
すると夜になって、「いつもの時間なのに眠くない」「布団に入っても目が冴えている」という状態につながります。
昼寝は上手に使う
昼間に強い眠気があるなら、無理に我慢する必要はありません。
ただし、遅い時間から長く眠る昼寝を避けましょう。
昼寝をするなら早めの時間帯に短めに。「疲れたから夕方から2時間寝る」が習慣になっている人は、一度見直してみましょう。
休日の寝だめにも注意
平日は6時に起きるのに、土日は10時、11時まで寝る。すると休日だけ生活時間が大きく後ろへずれます。
日曜日の夜になって、「明日仕事なのに眠れない!」となってしまうことも。
休日に少し長く眠ることはあっても、起床時間を毎週大幅にずらさないことを意識しましょう。
「眠れなかった分を全部取り返す」をやめる
睡眠不足は、一度の長い寝だめだけですべて帳消しにできるものではありません。
平日の睡眠時間そのものが不足しているなら、休日だけで調整するより、普段から少しでも睡眠時間を確保することが大切です。

「眠らなきゃ」が眠りを遠ざける
時計を見ると23時30分。「早く寝なきゃ」
もう一度時計を見ると0時15分。「あと6時間しか眠れない……」
1時。「明日は絶対つらい」
眠れない夜ほど、時計が気になってしまいますよね?
実はこの、「眠らなければ」と頑張り過ぎることが、かえって眠りを遠ざけてしまいます。
睡眠は頑張るものでない
仕事なら、「あと30分頑張ろう」運動なら、「もう10回頑張ろう」と努力できます。
ですが睡眠は違います。
「今すぐ眠るぞ!」と力を入れたからといって、その努力に比例して眠れるわけではありません。
むしろ、「眠れない、どうしよう」という焦りや緊張によって頭が冴えてしまいます。
夜中の「あと○時間」が焦りをつくる
夜中に目が覚めるたび、2時。3時。4時……。と時計を確認してしまいがち。
時間を見るたび、「あと4時間しかない」「明日の仕事に響く」と計算を始めれば、眠るどころか頭はどんどん活動モードになります。
夜中に目が覚めやすい人は、時計を何度も確認しないようにしましょう。
眠れないなら、一度ベッドから離れる
しばらく横になっていても眠れず、焦りが強くなるようなら、一度ベッドを離れましょう。
暗めの環境で静かに過ごし、眠気を感じてから再びベッドへ。
「眠れない場所」としてベッドを意識し続けないためにも使われる、不眠への認知行動療法の考え方のひとつです。
「一晩くらい」許してあげる
大切な予定の前日ほど、「今日は絶対8時間寝なきゃ!」と思いますよね?
でも、そのプレッシャーが眠りを邪魔してしまいます。
眠れない日があっても、「今日はそんな夜なんだ」「体を休ませておこう」くらいの気持ちで夜を過ごしてみましょう。

さいごに
眠れないときほど、私たちは何かを足したくなります。
「高級な枕」「睡眠サプリ」「睡眠用ドリンク」・・もちろん、自分に合った寝具やリラックス方法を取り入れることも大事です。
ですが、眠りを邪魔する習慣がそのままなら、アイテムを増やすだけでは根本的な改善にはなりません。
午後のコーヒーを減らす、寝酒を見直す、スマホをベッドに持ち込まない。まずは今夜、ひとつだけ「引く」ことから。
何かを買う前に、眠りを邪魔している習慣を手放して、心地よい眠りにつながる一日をつくっていきませんか?
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